【医師監修】T系サポート(テストステロン)する地中海食の成分6選

地中海式の食事は、心血管系の健康問題のリスクを軽減するのに理想的であるため、性的パフォーマンスと男性機能の健康をサポートする科学的根拠があります。また、テストステロンサポート(T系)にも地中海食はサポート力があることが分かっております。

テストステロンサポート(T系)は、活力、精力、性欲などのサポートはもちろんですが、男性機能を改善するのに大切なめぐり(NO系)をサポートする役割もあるのです。NOが不足することでEDが発症しやすいデータが示されていることからも、T系をサポートする成分はメンズパフォーマンスに必要不可欠なのです。

ですが、テストステロンは、20代をピークに加齢に伴い徐々に低下していく傾向にあります。人によっては30代以降は年に1%低下する場合もあるので、40代を超えてくる頃には、テストステロン値に個人差が大きく出てくるのです。

低テストステロンの男性は、正常な勃起ができなくなりEDとなる可能性が高くなるので、T系をサポートする科学的な根拠が豊富な天然の地中海由来となるT系サポート成分を紹介していきます。

参考文献

安屋敷和秀,戸田 昇,岡村 富夫 NO 作動性神経と勃起障害 日薬理誌(Folia Pharmacol. Jpn.)119,21~28(2002).

Mikhail N. Does testosterone have a role in erectile function? Am J Med. 2006 May;119(5):373-82.

Wrzosek M, Woźniak J, Włodarek D. The causes of adverse changes of testosterone levels in men. Expert Rev Endocrinol Metab. 2020 Sep;15(5):355-362.

日本人成人男子の総テストステロン:日泌 尿会 誌, 95巻, 6号, 2004年: 751~760

Thomas G. Travison, John E. Morley, Andre B. Araujo, Amy B. O’Donnell, John B. McKinlay, The Relationship between Libido and Testosterone Levels in Aging Men, The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism, Volume 91, Issue 7, 1 July 2006, Pages 2509–2513

この記事の医師監修

中村剛
飯田橋中村クリニック院長
医学博士
日本泌尿器科学会専門医取得
日本泌尿器科学会指導医取得
東京都身体障害者福祉法指定医(じん臓機能障害、膀胱又は直腸機能障害)

フラボノイド

最近の栄養学の進展により、男性ホルモンであるテストステロンの維持にフラボノイドが効果的であることが示されています。特に、フラボノイドは男性の生殖機能を支えるライディッヒ細胞の活動を促進し、テストステロンの生成をサポートする可能性があるのです。

フラボノイドはテストステロンの生成を促進する重要なタンパク質であるステロイド生成性急性制御タンパク質(StAR)の活動を高めることが研究で確認されているからです。

研究では、クリシン、アピゲニン、ルテオリンなどの特定のフラボノイドを含む食品が男性のテストステロンレベルに好影響を与えることが示されています。これらのフラボノイドは、男性が年を取るにつれて現れる性腺機能の低下を遅らせる可能性があるとされています。

このようなフラボノイドは、主に果物や野菜に豊富に含まれており、特に地中海式の食生活を心がけることで、体内での適切な濃度を達成できると考えられています。

参考文献

Martin, L.J.; Touaibia, M. Improvement of Testicular Steroidogenesis Using Flavonoids and Isoflavonoids for Prevention of Late-Onset Male Hypogonadism. Antioxidants 2020, 9, 237.

レッドワイン

赤ワインには、健康をサポートすると言われる成分が含まれていますが、その中でも注目されるのはポリフェノールです。最近の研究では、ポリフェノールが男性のホルモン、特にテストステロンに与える影響が明らかにされています。

研究によると、赤ワインを摂取することにより、体内でテストステロンが分解されるのを阻む作用があることが示されています。テストステロンが分解されずに体内に留まる時間が長くなると、血中のテストステロン濃度は上昇することになります。これは、赤ワインに含まれる特定のポリフェノールが、テストステロンの分解を担う酵素の活動を抑えるためです。

実験では、特にフェノール化合物が多い辛口の赤ワインを摂取した場合には、テストステロンの濃度が最も高かったことがわかりました。

一方で、甘口の赤ワインを多く摂取した場合には、テストステロンの変化は見られませんでしたが、これは甘口ワインに含まれる糖分が関与している可能性があります。

参考文献

Basile L, Condorelli RA, Calogero AE, Cannarella R, Barbagallo F, Crafa A, Aversa A, La Vignera S. Red Wine and Sexual Function in Men: An Original Point of View. J Clin Med. 2023 Jun 7;12(12):3883.

ザクロ

ザクロはその栄養価の高さで注目を集めています。この果物は、ビタミン類やアミノ酸をはじめ、タンニン、アントシアニン、エラグ酸などの抗酸化物質を含むポリフェノールが豊富です。

ザクロジュースを2週間摂取した結果、唾液内のテストステロン濃度が平均で約24%増加することが観察されました。これにより、ザクロが持つ成分がNOの生成に寄与し、一連の生体機能のサポートに関与する可能性があることが示されています。

参考文献

Pomegranate juice intake enhances salivary testosterone levels and improves mood and well being in healthy men and women

緑茶エキス

緑茶に含まれるポリフェノール(カテキン)が持つ潜在的な力は、男性の生殖機能に関して注目されており、研究では、精子の活動に重要なパラメーターである精子の濃度や活力が、有意に増加しました。これは、緑茶に含まれる成分生殖機能をサポートする可能性を示唆しています。

また、緑茶に含まれる成分は、脂肪細胞の分解を促進し、脂肪燃焼のプロセスをサポートさせるとされています。

脂肪細胞が分解されることで、体内の脂肪量が減少し、結果的にテストステロンのレベルを整える潜在的な能力があると考えられています。さらに、緑茶に含まれるカフェインは、エネルギーの増加に寄与し、運動を行う際のパフォーマンス向上に役立ちます。

テストステロンのレベルは体内の脂肪量と関連があり、体脂肪が減少することでテストステロンが高まることが研究で示されており、緑茶の摂取が体脂肪の減少に寄与するとすれば、間接的にテストステロンの調整にも関わっていることになります。

参考文献

Opuwari C, Monsees T. Green tea consumption increases sperm concentration and viability in male rats and is safe for reproductive, liver and kidney health. Sci Rep. 2020 Sep 17;10(1):15269.

Overweight men can boost low testosterone levels by losing weight. June 25, 2012. Endocrine Society

ブドウ

ブドウには、抗酸化力を持つアントシアニンやレスベラトロールなどのポリフェノールが含まれています。

レスベラトロールを含むブドウの摂取は、血液中のテストステロン濃度を平均で約51.6%引き上げたと報告されています。これに加えて、精巣の精子の数は平均で15.8%増加し、精巣上体精子の運動性は23.3%向上するというデータがあります。

また、生殖機能に対するレスベラトロールのプラスの効果と並行して、ブドウは精子の運動性を向上させる可能性があると示唆されています。

健康維持に役立つとされるブドウですが、日常食においてその適切な摂取量は個々人の栄養ニーズや健康状態によって異なります。ブドウを摂取することで生じる全体的な健康への利益については、追加の研究が必要です。

参考文献

Shin S, Jeon JH, Park D, Jang MJ, Choi JH, Choi BH, Joo SS, Nahm SS, Kim JC, Kim YB. trans-Resveratrol relaxes the corpus cavernosum ex vivo and enhances testosterone levels and sperm quality in vivo. Arch Pharm Res. 2008 Jan;31(1):83-7.

オリーブオイル

オリーブオイル、特にエクストラバージンオリーブオイルは、その成分によってテストステロンのレベルに好影響を与える可能性があるとされています。

エキストラバージンオリーブオイルとは、オリーブを絞ってろ過したあとの人為的な加工は一切おこなっていないオリーブオイルを言います。オリーブオイルに含まれる不飽和脂肪酸が、テストステロンの生成をサポートするという見解が示されています。

研究にて、脂肪分を多く含む食事がテストステロンの産生を助ける可能性があると指摘されています。脂肪分40%の食事から脂肪分20%の食事に変更すると、テストステロンレベルが平均で約11.5%低下したことがわかり、リーブオイルに豊富に含まれる不飽和脂肪酸の摂取がテストステロンの生成を助ける可能性があります。

参考文献

Joseph Whittaker, Kexin Wu, Low-fat diets and testosterone in men: Systematic review and meta-analysis of intervention studies, The Journal of Steroid Biochemistry and Molecular Biology, Volume 210, 2021,

まとめ

ここまでエビデンスが豊富な地中海由来のT系(テストステロン)サポート成分を紹介してきました。

これらの成分を摂取することができることが望ましいですが、毎日の継続することが難しい方も少なくありません。

なので、いつもより野菜や果物を多く摂取したり、天然由来の地中海成分が含まれる「サプリメントを活用する」のもメンズをサポートする一つの手段になります。

T系成分も科学的に成分抽出したものではなく、天然由来成分からT系成分を摂取できれば、微量栄養素から摂取することができるので、より体を優しくケアしてくれますね。