【医師監修】サフランの効果は?男性機能を改善する論文と副作用4選

サフランは、ヨーロッパの地中海沿岸を原産とする世界一高価なスパイス”とも言われているハーブの一種です。サフランは、勃起機能、性欲、ストレス、睡眠と男性機能を総合的にサポートしてくれる成分になります。

この記事では、エビデンスにより明らかにされた男性機能を改善する効果についてお話しします。

この記事の医師監修

中村剛
飯田橋中村クリニック院長
医学博士
日本泌尿器科学会専門医取得
日本泌尿器科学会指導医取得
東京都身体障害者福祉法指定医(じん臓機能障害、膀胱又は直腸機能障害)

勃起機能の向上

研究によれば、サフランはこの性的欲求を高める働きがあることが示されており、特に抗うつ薬を服用している人々にその効果が顕著であるとされます。

具体的に、抗うつ薬に関連した勃起不全を持つ男性が4週間にわたって毎日30mgのサフランを摂取した結果、プラセボを摂取したグループと比較して、明らかに勃起機能が向上したという報告があります

さらに、6つの研究を分析した結果、サフランの摂取は勃起機能、性的欲求、全体的な満足度を有意に向上させることが示されましたが、精液の特性には変化がなかったとされています。

参考文献

Modabbernia A, Sohrabi H, Nasehi AA, Raisi F, Saroukhani S, Jamshidi A, Tabrizi M, Ashrafi M, Akhondzadeh S. Effect of saffron on fluoxetine-induced sexual impairment in men: randomized double-blind placebo-controlled trial. Psychopharmacology (Berl). 2012 Oct;223(4):381-8.

Maleki-Saghooni N, Mirzaeii K, Hosseinzadeh H, Sadeghi R, Irani M. A systematic review and meta-analysis of clinical trials on saffron (Crocus sativus) effectiveness and safety on erectile dysfunction and semen parameters. Avicenna J Phytomed. 2018 May-Jun;8(3):198-209.

媚薬的な効果

抗うつ薬の副作用で性的欲求が低下している女性においても、4週間30mgのサフランを毎日摂取することで、性的な痛みが減少し、性的欲求と潤滑が向上したとの研究結果が示されています。

参考文献

Kashani L, Raisi F, Saroukhani S, Sohrabi H, Modabbernia A, Nasehi AA, Jamshidi A, Ashrafi M, Mansouri P, Ghaeli P, Akhondzadeh S. Saffron for treatment of fluoxetine-induced sexual dysfunction in women: randomized double-blind placebo-controlled study. Hum Psychopharmacol. 2013 Jan;28(1):54-60.

サフランが男性機能をサポートするメカニズム

サフランには、さまざまな植物由来の成分が含まれており、これらは強力な抗酸化作用を持っています。これらの抗酸化物質は、私たちの細胞をフリーラジカルや酸化ストレスから守る役割を果たします。

サフランに含まれる特筆すべき抗酸化成分には、以下のものがあります

  • クロシン
  • クロセチン
  • サフラナール
  • ケンペフェロール

クロシンとクロセチンは、サフランの赤色を生み出すカロテノイド色素です。これらの化合物は、抗うつ作用、脳細胞の進行的なダメージからの保護、炎症の改善、食欲抑制、体重減少の助けとなる可能性があります。

また、サフラン摂取後の患者の中には、勃起機能が有意に改善されることが確認されており、サフランの抗酸化物質、特にクロシンの作用と関連していると考えられます。

サフラナールは、サフランの独特の風味と香りを生む成分です。研究によれば、気分の向上、記憶力の強化、学習能力の向上、さらに酸化ストレスから脳細胞を守る効果があることが示されています

最後に、ケンペフェロールはサフランの花びらに存在します。この成分は、炎症の減少、抗がん特性、抗うつ活動などの健康効果と関連しています。

サフランに含まれるクロシンとサフラナールという成分が注目されています。

サフランは、多くの健康効果が期待されるハーブですが、クロシンやサフラナールのような成分の役割を理解することで、その効果をより正確に評価することができます。適切な量と方法での摂取を心がけることで、サフランの持つポテンシャルを最大限に引き出すことが可能です。

参考文献

Khazdair MR, Boskabady MH, Hosseini M, Rezaee R, M Tsatsakis A. The effects of Crocus sativus (saffron) and its constituents on nervous system: A review. Avicenna J Phytomed. 2015 Sep-Oct;5(5):376-91.

Abedimanesh N, Bathaie SZ, Abedimanesh S, Motlagh B, Separham A, Ostadrahimi A. Saffron and crocin improved appetite, dietary intakes and body composition in patients with coronary artery disease. J Cardiovasc Thorac Res. 2017;9(4):200-208.

Rezaee R, Hosseinzadeh H. Safranal: from an aromatic natural product to a rewarding pharmacological agent. Iran J Basic Med Sci. 2013 Jan;16(1):12-26.

Chen AY, Chen YC. A review of the dietary flavonoid, kaempferol on human health and cancer chemoprevention. Food Chem. 2013 Jun 15;138(4):2099-107.

サフランの副作用の安全性

サフランは、通常、副作用の少ない、安全な食材とされています。一般的な料理での使用量では、人体に有害な影響を及ぼすことは確認されていません。

サプリメントとしての摂取においては、1日1.5グラムまでのサフランは安全に摂取可能です。しかし、その健康効果を享受するためには、1日あたりの30mgの摂取で十分であると示されています。

一方、5グラム以上の高用量は有害な影響を及ぼす可能性があります。妊娠中の方は、流産のリスクがあるため、高用量の摂取は避けるべきです。

参考文献

Ranjbar H, Ashrafizaveh A. Effects of saffron (Crocus sativus) on sexual dysfunction among men and women: A systematic review and meta-analysis. Avicenna J Phytomed. 2019;9(5):419-427.

Sadi R, Mohammad-Alizadeh-Charandabi S, Mirghafourvand M, Javadzadeh Y, Ahmadi-Bonabi A. Effect of Saffron (Fan Hong Hua) On the Readiness of The Uterine Cervix In Term Pregnancy: A Placebo-Controlled Randomized Trial. Iran Red Crescent Med J. 2016 Jun 20;18(10):e27241.

サフランを選ぶときの注意

サフランは、世界一高額と言われるほど単価が高いです。その分、サフランパウダーを選ぶ際には注意が必要で、他の成分、例えば、ビーツ、赤い染められたシルク繊維、ウコン、パプリカなどと混ぜられている場合があります。

このような混合は、本物のサフランの収穫が高価であるため、製造業者がコストを削減する目的で行われることがあるのです。これは実例としてあるので本当に注意です。

信頼のおけるブランドからサフランを購入することで、純粋な製品を手に入れることができます。もし、相場と比較して安価すぎる場合のサフランは避けるべきです。

なので、実績や信頼性のあるブランド製品からキチンと規格化されたサフランを購入し、純粋な製品を使用して実感ができることが手に入れるよう心がけましょう

参考文献

The effect of saffron and its constituent, crocin, on anterior pituitary-gonadal axis during pregnancy in the rat: A time-course study.South African Journal of Botany