【医師監修】赤ワインの健康効果が凄い!論文で分かる効能5選

赤ワインは長い歴史を持ち、さまざまな文化や宗教、社会的イベントに取り入れられてきました。古くから、赤ワインが健康に良いという考えがありましたが、近年の科学的研究により、その真実が確認されつつあります。

2018年の研究では、適度な赤ワインの摂取が以下の健康サポートにつながることが示されています。

  • 心臓病
  • 動脈硬化
  • 高血圧
  • 一部の癌
  • 2型糖尿病
参考文献

Snopek L, Mlcek J, Sochorova L, Baron M, Hlavacova I, Jurikova T, Kizek R, Sedlackova E, Sochor J. Contribution of Red Wine Consumption to Human Health Protection. Molecules. 2018 Jul 11;23(7):1684.

この記事の医師監修

中村剛
飯田橋中村クリニック院長
医学博士
日本泌尿器科学会専門医取得
日本泌尿器科学会指導医取得
東京都身体障害者福祉法指定医(じん臓機能障害、膀胱又は直腸機能障害)

赤ワインの健康効果は?健康効果5選

赤ワインの健康効果の背後には、抗酸化作用、抗炎症作用、脂質調整効果があります。赤ワインは、ぶどうの皮に含まれる天然の抗酸化物質「レスベラトロール」の豊富な供給源です。

抗酸化物質は体内の酸化ストレスを減少させる効果があり、酸化ストレスは癌や心臓病などの疾患と関連があります。

しかし、赤ワインよりも、全体のぶどうやベリーから直接レスベラトロールを摂取する方が効果的であるとされています。また、適量以上の赤ワインを摂取することは健康リスクがあるため、アルコールの摂取には注意が必要です。

研究結果に基づいて、5つの健康効果について詳しく説明します。

参考文献

Abu-Amero KK, Kondkar AA, Chalam KV. Resveratrol and Ophthalmic Diseases. Nutrients. 2016 Apr 5;8(4):200.

心臓の健康

赤ワインに含まれる抗酸化物質やポリフェノールは、心臓病のリスクを減少させる可能性が研究で示されています。

2019年のレビューでは、赤ワインの摂取が冠動脈心臓病のリスクを下げることが報告されています。

しかし、アルコールの過剰摂取は心臓に悪影響を及ぼす可能性もあるため、摂取量には注意が必要です。

参考文献

Castaldo L, Narváez A, Izzo L, Graziani G, Gaspari A, Minno GD, Ritieni A. Red Wine Consumption and Cardiovascular Health. Molecules. 2019 Oct 8;24(19):3626.

腸の健康

赤ワインやぶどうのポリフェノールは、善玉菌を増加させる効果があるとされています。

ポリフェノールはプレバイオティクスのような働きを持ち、腸内のバランスを整えることが考えられます。

この効果により、消化の助けや免疫強化の効果も期待されています。

参考文献

Nash V, Ranadheera CS, Georgousopoulou EN, Mellor DD, Panagiotakos DB, McKune AJ, Kellett J, Naumovski N. The effects of grape and red wine polyphenols on gut microbiota – A systematic review. Food Res Int. 2018 Nov;113:277-287.

2型糖尿病

ある研究では、赤ワインの摂取が2型糖尿病患者の心臓病リスクを減少させる可能性が示されました。

赤ワインの成分が、血糖値の調整やインスリン感受性の向上に寄与する可能性があるとされています。

しかし、全ての研究でこの効果が確認されているわけではないため、注意が必要です。

参考文献

Effects of Initiating Moderate Alcohol Intake on Cardiometabolic Risk in Adults With Type 2 Diabetes.20 October 2015

血圧調整

レスベラトロールは血圧調整の効果があると考えられています。

赤ワインの適度な摂取は、血管の健康を維持し、高密度リポタンパク質(HDL)コレステロールのレベルを上げる可能性があります。

しかし、過度な摂取は高血圧の原因となるため、摂取量には注意が必要です。

参考文献

Ren J, An J, Chen M, Yang H, Ma Y. Effect of proanthocyanidins on blood pressure: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Pharmacol Res. 2021 Mar;165:105329.pub 2021 Jan 16.

脳損傷

レスベラトロールは、脳の酸化ストレスや炎症の抑制効果があり、これが脳損傷のリスクを減少させる可能性が考えられます。

特定の研究では、レスベラトロールの摂取が脳の二次的損傷を減少させる効果が確認されています。

参考文献

Lopez MS, Dempsey RJ, Vemuganti R. Resveratrol neuroprotection in stroke and traumatic CNS injury. Neurochem Int. 2015 Oct;89:75-82.

男性機能の効果

赤ワイン(レッドワイン)が健康に与える影響に関する最新の研究によれば、適切な量の摂取で、男性の生殖系への好影響を持ち、テストステロンレベルとの間に良好な関係性があると示されています。

赤ワインのポリフェノールは、NOシステムの調節を通じて直接作用すると考えられており、陰茎の血管を拡張し勃起を促します。レッドワインと男性機能については下記で詳しく紹介しております。