赤ワイン、レッドワインは、黒色のブドウ品種から作るワインの種類です。
赤ワインポリフェノールの一種である「レスベラトロール」とは、ブドウの皮や種、ワインに多く含まれる化合物で、強力な抗酸化作用を持っています。
この抗酸化作用は、体内で発生する有害な酸化物質を除去し、細胞のダメージを防ぐことで知られています。このため、レスベラトロールはアンチエイジング効果や、様々な疾患の予防に役立つと考えられています。
では、実際に論文でレッドワインの効果が明らかにされているアンチエイジング効果についてお話しします。
この記事の医師監修
中村剛
飯田橋中村クリニック院長
医学博士
日本泌尿器科学会専門医取得
日本泌尿器科学会指導医取得
東京都身体障害者福祉法指定医(じん臓機能障害、膀胱又は直腸機能障害)
レッドワインは寿命を延ばす
約25万人を対象とした2000年の研究では、適度にワインを飲む人(1日2杯程度)は、ビールや蒸留酒を飲む人よりも全死亡率が低かったことが確認されました。
13000人を対象とした研究だと、1日にグラス3〜5杯のワインを飲む人は、酒を飲まない人より早期死亡率が低いと報告されたのです。
ただし、ワインの飲み過ぎは健康リスクがあるため注意が必要です。
ワインの健康効果は、含まれるポリフェノールにより、心疾患やガンのリスクが低下することが考えられます。
参考文献
Grønbaek M, Becker U, Johansen D, Gottschau A, Schnohr P, Hein HO, Jensen G, Sørensen TI. Type of alcohol consumed and mortality from all causes, coronary heart disease, and cancer. Ann Intern Med. 2000 Sep 19;133(6):411-9.
Grønbaek M, Deis A, Sørensen TI, Becker U, Schnohr P, Jensen G. Mortality associated with moderate intakes of wine, beer, or spirits. BMJ. 1995 May 6;310(6988):1165-9.
レッドワインと若返り
ワインには抗酸化作用があり、それにより老化の原因となる体内の炎症や酸化ダメージが抑えられる可能性が指摘されています。
いくつかの実験では、ワインを飲むことで体内の炎症マーカーが減少する現象が観察されました。ワインに豊富に含まれるポリフェノールは、老化を遅らせる効果があると考えられます。
参考文献
Genoveva Berná, Eduardo Otaolaurruchi, Ana M. Troncoso, Francisco Martín, and M. Carmen García-Parrilla M. Soledad Fernández-Pachón. Changes in Antioxidant Endogenous Enzymes (Activity and Gene Expression Levels) after Repeated Red Wine Intake. Journal of Agricultural and Food Chemistry 2009 57 (15), 6578-6583
レッドワインと認知機能
ワインに含まれる抗酸化成分は、脳の健康維持にも寄与する可能性があると言われています。2010年の研究では、軽度から中量(1日2杯程度)のワインを飲む人は、他の酒よりも認知機能が高いことが示されました。
また、ワインの摂取が認知症やパーキンソン病のリスクを低減する可能性もあるとの研究結果が報告されています。
参考文献
Arntzen KA, Schirmer H, Wilsgaard T, Mathiesen EB. Moderate wine consumption is associated with better cognitive test results: a 7 year follow up of 5033 subjects in the Tromsø Study. Acta Neurol Scand Suppl. 2010;(190):23-9.
レッドワインと活力と精力のサポート
2023年に「Journal for Clinical Medicine」の最新の研究では、赤ワインが、男性の生殖系への好影響を持ち、活力や精力の源であるテストステロンレベルとの間に良好な関係性があることが示されました。
適量の赤ワイン摂取が勃起不全に苦しむ方々にとって助けとなる可能性が高まり、テストステロンと男性の生殖能力を向上させる役割があると指摘されています。
テストステロンは加齢に伴い低下していく傾向があるので、レッドワインによるアンチエイジング効果が期待できますね。
参考文献
Basile, L.; Condorelli, R.A.; Calogero, A.E.; Cannarella, R.; Barbagallo, F.; Crafa, A.; Aversa, A.; La Vignera, S. Red Wine and Sexual Function in Men: An Original Point of View. J. Clin. Med. 2023, 12, 3883.
男性機能の効果
赤ワイン(レッドワイン)が健康に与える影響に関する最新の研究によれば、適切な量の摂取で、男性の生殖系への好影響を持ち、テストステロンレベルとの間に良好な関係性があると示されています。
赤ワインのポリフェノールは、NOシステムの調節を通じて直接作用すると考えられており、陰茎の血管を拡張し勃起を促します。レッドワインと男性機能については下記で詳しく紹介しております。
まとめ
赤ワインには様々な健康効果が期待されていますが、その効果を享受するためには適度な摂取が重要です。また、ワインを選ぶ際には、加工が少ないもの、特に赤ワインを選ぶとより多くの健康効果が得られると言われています。